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おおよそ真っ直ぐ走ろう!(中日)

エッセイ(旅行記)/原稿用紙13枚/2004.1.25

初日 2002/08/10  (記:2002/08/17)
中日 2002/08/11  (記:2002/08/21)
千秋楽 2002/08/12  (記:2002/08/24)


2002/08/11(日)晴

ペンションの朝。

 am8:40、ペンションを出発。今日もいい天気です。ほんとは真っ直ぐ≠フ主旨に則り、速やかにコースに戻らないといけないんだろうけど、せっかくここまで来たんだから、行ったことがまだなかった「白根山」(2160m)の顔でもちょっと拝んでおこうと考え、 R292を北上することにしました。

白根山の途中の岩場。

 いや、ここも別世界でした。美しい風景が広がります。青空の下、草の絨毯の山肌を道路は伸びています。また、岩だらけの荒々しい場所もありました。「注意の看板」が立てられてあり、それによると「駐車禁止・硫化水素ガスが発生していて危険」なんだと。さすが温泉場である。ちょっと窓を開けたらホントに臭い……ぎゃー! 慌てて走り抜けました。
 9:10ごろ頂上駐車場に到着。通り過ぎるだけのつもりだったけど、「乗鞍スカイラインの魔王岳」みたくすぐ上れそうだったんで駐車代金 410円払って駐車する。なんとまあコンクリで道が上まで舗装されていて、ほんとに、ものの 5〜10分で上に立つことができました。しかし、車で登山ができるんだもんなあ……ありがたいもんである。
 白根山のお釜の中には白く濁った、緑色の沼がある。なんかとても痛そう。泳いだらすごいことになりそうです。
 観光客の群の動きのタイミングを見て写真だけ撮る(掲載せず)。時間が午前中のまだ早いうちだったけど、もういいかげん混んでいる。これからもっとギュウギュウ詰めになるんだろうな。「乗鞍スカイライン」もそうだけど、こうしたところへは早めに行くべし。でないと駐車もできなくなります。
 下山して売店でイチゴのソフトクリーム(350円)を買ってぺろぺろしながら車に戻る。

ここらへんが芸の見せ所である。

 さて、地図を見ると、このまま北上すると「志賀高原」となっている。なんとなくロマンチックな名前だね。だけどそこまで行ってしまっては、今回の真っ直ぐ≠フ主旨からこれはもう大きく逸脱するので止めておくことにする。そゆわけで「万座ハイウェー」(1100円……だったかな?)を下って「嬬恋村」まで戻りました。再び R144を東へ走行開始。
 ところでこの道路(R145)、「日本ロマンチック街道」とか言うらしい。何度か(やはりそれぞれの年の盆休み)午後の時間帯に走ったことがある(車とスクーターで)んだが、季節柄暑うて暑うて、渋滞に巻き込まれようものなら大変だったですよ。涼しげな高地というイメージなのになあ……。(ん?……高地?……高所……)酷暑街道である。(どうだ?)

榛名湖にて。も少し構図と写りが良かったらトップページだったのに……。

「吾妻町」からまたしても寄り道。県道に入って南下して、「榛名山」(1449m)をひいこら登る。上の湖をぐるりと半周して「渋川市」方面へ下る。
 ところでここは、某峠の走り屋<}ンガで有名なところである。路肩を見るとおお! マンガのとーり側溝が浅いテーパー状になっているではないか!! ならばやらズばなるまい――必殺溝落とし=I さっそく(低速だけど)マネしてみる――
 左前輪を左溝に――
「がたん」
 どっかから音がした。
(……)
 俺様のボロ車、このままだとただのボロになってしまいそうなんで、これ以上トライは止めておくことにする。
 ところでこの溝落とし≠ヘ、カーブの遠心力を車輪でこらえるようにする(つまり右カーブだったら右側溝に右車輪を落とす)わけだが、この逆パターンをダレかやってくれないもんだろうか? すなわち右カーブで左車輪を左溝に落とすのだ。どうなっても俺様は一切しらんが。

 渋川市手前、「伊香保温泉」で道を南にとる。榛名山を完全に下まで降り、「渋川伊香保IC」から「関越自動車道」を北上。すぐ「沼田IC」で下道に降りる。なんとなれば、 R17、「渋川市と沼田市」をパスするためでした。
 さてここからは R120を、群馬県の奥座敷=A「日光白根山」に向かって登っていくことになる。実は昔、この逆のコース(日光市から沼田市へ)は走った事がある(車とスクーターで)んだが、その逆、つまり逆逆(?)は今回初めてなんでありました。
 途中、「片品村」で「尾瀬」への道(R401)を横目に見て車は真っ直ぐ進む。くそ、いつかは行くぞはるかな尾瀬。おぼえとけ遠い空。
 途中、「白根温泉」に入る。ばばんばばんばんばん、いい湯だな、 600円。(草津の白根山となんだか紛らわしいね)

ああ思い出すだけでヨダレが出る。

 途中、なんとか茶店で「ヤマメ」と「おしょろこま(イワナのことらしい)」の塩焼きを食う。計 1110円。甲乙つけ難し。ところで俺は川魚の塩焼き好きだなあ! この前、趣味でアホ小説を書いたんだが、主人公に琵琶湖の鮎の天ぷらを食わすシーンがあった。それ、ほんとは塩焼きにするつもりだったのだ。ところが琵琶湖の鮎は小さすぎて、塩焼きは不自然。仕方なしに天ぷらに言葉を入れ替えたのである。そんなわけで文章の前後が少し変になってしまった。まあそもそもの文章がヘタレだからうまく紛れたけど。こんなことはどうでもいいか。
 塩焼きを食い終わって茶で口すすいで出発。「金精峠」を抜ける。群馬県が終わって栃木県「奥日光」である。眼前に「男体山」がよく来たなコノヤロ≠ニそびえ立っております。いやー、ホント、ついにここまで来ましたか! あともうちょっとです。

戦場ヶ原。

 裾野の「戦場ヶ原」の茶店でまたしても「ヤマメ」 2尾食べる。だって売れ残りで、 200円負けてくれるっつーんだからしょうがないじゃないですか。
 その「戦場ヶ原」、いいとこです。湿原の草っぱら。遊歩道を散歩する。いにしえの人々は、ここを走破するのたいへんだったろうな。俺は荒涼とした大地とか、草原とか、だだっ広い風景とかが好きだなあ……。

いろは坂という表示が見えるかな?
下の時計はちょうど 4:00です。

 ここを出発してすぐ「中禅寺湖」になる。ここら辺から渋滞が始まる。道ばたの交通状況掲示板によると、「日光市」まで 70分とのこと。ああ、仕方がない。ところで「日光」は巨大観光地で、通りすがりにどうかできる所ではない。そんなわけでここらは素通りするつもりである。(それでも「華厳の滝」くらいは見ておこうかと思ったけど、駐車場が満車で結局諦めました。)
 いろは坂下り入り口で pm4:00。(もうこんな時間だったのか。)車の列はゆっくりゆっくり下っていきます。この坂、お猿さんが出没するとのことだが、全然出てこなかったな。「エサを与えるな」という看板があったから、それが効いているのかもしれんね。出会ったらエサで釣ってポーズとらせて写真撮ってトップページに飾ろうと思ったのに……。
 先ほどの掲示板では「日光宇都宮道路」の「清滝IC」までだったら 30分とのことだったので、そちらのルートを選択する。「日光市」をパス(羊羹がほしかったんだが……残念)し、すぐ「今市市」で降りる。市内をなんとか抜けて R461へ。「矢板市」へ向かいます。

 コースは「矢板市」でR4にぶつかるんだが、この R4から東側はまだ走ったことがないんだよ。正確に言うと、海岸線の R6は走ったことがある(スクーターで)。 4と 6の間の領域は未体験ゾーンなのである。地図を見ても観光地がなさそうだし、たんたんと残りのコースを消化することになりそうです。

「黒羽町」付近のコンビニにて。

 ルートは R461のまま「太田市」(バイパス)、「黒羽町」を通り過ぎていきます。道はいつの間にか茨城県に入っています。渋滞もなくそこそこのペース。ただ気になるのは日の明るさで、そろそろ暗くなり始めています。別に夜中走ってもいいんだけど、それでは意味がない≠謔、な、ルートに申し訳ない≠謔、な気がした(なんでオラんとこだけ昼間に走ってくれねえんだよ? 不公平じゃい! て声が聞こえるような気がした)ので、今夜もどっかに宿泊することにしました。うろうろして R118、「大子町」駅前の安宿に飛び込みで入る。
 しかし、この冒険≠する前は、一日(24時間)でコース走破できるかな、と軽く考えていたんだが(もちろん寄り道せず、しかも広い道のみ走ってという条件で)、全然違っていました。しかも旅館で二泊もしてしまうとは予定外。お金がぶっ飛んで行ってしまって、これからの生活どうしようかと青ざめるのでありました。(俺様はプレステ買う余裕もねぇんだぞ!)でも車内泊は、今日はめちゃ暑いからやりたくないのだ。贅沢体質で困ったモンである。クーラー効きが悪いし、マジ車内蒸し風呂になるんだからかんべんしてもらおう。

 蛇足その1。いつだったか、友人Y氏と釣りに行ったことがある。俺らは普段、兵庫県 I市で生活を営んでおるわけだが、そのときは山道を通って県の反対側の日本海まで行ったのだ。そのときのこと……。
「日本はどこまで行っても同じだな、トンネル抜けて、山の中で、川があって学校があって、店があって、その繰り返し……」
 と、Y氏がけだし名言を吐いた。
 同感であるが、今回、「どこでも同じ」ではない点を見つけた。それは人々の言葉である。宿のおばちゃんの言葉が――もちろん方言――わからず、わからないまま、そのイントネーション、なんか無性になつかしく耳に響きましたよ。その地方地方の話し言葉、いつまで生き残ってくれるのでしょうかね……。 
 蛇足その2。ここではキ○ンのビンビール、ラ○ーを一本注文した。これは宿側への、感謝の意味がある。この時期、サケも飲まない(買わない)飛び込みの一人客は迷惑だろうからな。気配りのつもりの散財なのだ。なんか言い訳みたいだな。そうまでして飲んだビールだったけど、やっぱり味がまずくて、これも 1/3ほど残したよ。どっか体が悪いんだろうか?

 今日は疲れたんで町をうろつくこともせずすぐ寝ることにしました。おやすみベイビー。


初日 2002/08/10
千秋楽 2002/08/12


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